この名曲が生み出された背景には、トップクリエイターたちの奇跡的な化学反応が存在する。CM企画を手掛けたクリエイティブディレクターの篠原誠が自ら作詞を担当し、沖縄を代表するバンドBEGINが作曲を手掛けた。広告業界の第一線で活躍する言葉のプロと、日本のルーツミュージックを知り尽くした音楽家が手を組むことで、計算を超えたエモーショナルな楽曲が完成したのだ。
当初、企画段階ではこれほど本格的な楽曲として制作される予定ではなかったという。しかし、篠原誠が書き下ろした切なくも温かい言葉の数々にインスピレーションを受けたBEGINが、島唄のコード感とポップスを見事に融合させたメロディを構築。浦島太郎というキャラクターのバックボーンに完璧に寄り添う一曲へと昇華させた。
さらに、歌唱を担当した桐谷健太の存在を抜きにしてこの曲は語れない。彼は単に与えられた歌を歌うのではなく、役に没入して自ら三線の特訓を重ね、吹き替えなしの生演奏とボーカルでレコーディングに臨んだ。その声に滲む掠れや熱量、愚直なまでの感情表現が、楽曲に命を吹き込んだ瞬間であった。