日本人のDNAに刷り込まれた「たい焼き愛」を語る上で、歴史的な文化的背景を無視することはできない。1975年、子門真人が歌い上げ空前のメガヒットを記録した『およげ!たいやきくん』は、たい焼きという食べ物を単なる甘味から、哀愁とユーモアを背負った国民的キャラクターへと昇華させた決定打だった。
明治時代に誕生したとされる和菓子文化の文脈において、たい焼きは常に庶民の生活と地続きにあった。高価な鯛を模して庶民を喜ばせようとした職人のサービス精神は、半世紀以上の時を経て、現代のクリエイターたちによる雑貨制作へと受け継がれている。どこか不憫で、どこか誇らしげなその姿は、時代を超えて日本人の心をつかんで離さない。