スマートフォンの画面越しに広がる「断面萌え」というカルチャーは、熊本の製菓・カフェ業界に大きな技術革新をもたらした。Instagramのタイムラインには、鮮やかなコントラストを描くサンドの写真が連日無数に投稿され、そのビジュアルの美しさがさらなる来店動機を生み出している。
だが、美しい断面を保つのは容易ではない。果物の水分がパンへ移行するのを防ぐ特殊なクリームのホイップ技術や、カット時の摩擦を最小限に抑える温度管理など、パティシエたちの高度な技術が凝縮されている。視覚的なインパクトをフックにしつつ、実際に食べたときの口溶けと満足度を極限まで高める試行錯誤が、業界全体の水準を急速に押し上げた。