現場取材と地域住民の証言から見えてくるのは、南丹市特有の複雑な地形が行く手を阻む厳然たる事実です。特に南丹市の桂川周辺捜索では、川沿いの藪や高水敷、急激な増水によって足跡や遺留品が消失しやすいという過酷な条件下での作業が強いられます。
八木町で長年農業を営む地元住民は、当時の様子について次のように語ります。
「このあたりは街灯が少ない一本道が多く、日が暮れると川沿いと農道の境目が完全に見えなくなります。普段歩き慣れているはずの地元の人でも、足を踏み外して用水路や藪に滑り落ちたら外からは全く見えません。警察犬を連れた捜索隊が何度も草むらをかき分けていましたが、夜間の冷え込みを考えると一刻を争う状況でした」
さらに、観光地としても著名な美山町周辺では、南丹市美山町の遭難捜索において南丹市の山岳遭難に警察消防が総力を挙げて立ち向かっています。芦生原生林をはじめとする山林地帯は手付かずの自然が残る反面、登山道を踏み外せば方向感覚を完全に失う深い谷が連続します。尾根筋での電波遮断や急峻な崖地が捜索隊の進行を阻み、1区画の確認に数時間を要する過酷な現場実態が記録されています。