SNSやネット掲示板において「中志津商店街は滅びた」「ゴーストタウン」といった極論が書き込まれる背景には、近年の空き店舗の増加があります。しかし、取材から浮かび上がってきた閉店理由の現実は、単なる経営難という一言では片付けられません。
最大の要因は、創業世代の高齢化と後継者不足です。1970年代に30代で独立開業した店主たちは、すでに80代を迎えています。十分な蓄えを持ち、子どもたちが都心部で別の職業に就いて自立しているため、「借金苦で倒産した」のではなく、「老齢を理由に惜しまれつつ円満に店を畳んだ」ケースが大半を占めています。
また、店舗兼住宅として設計された区画が多く、店を閉めた後も元店主がそのまま居住し続けている例が目立ちます。外部のチェーン店や新興事業者に賃貸されず、そのままシャッターが下ろされた状態が維持されるため、外見上は閉塞感が増して映ってしまうという構造的要因が存在します。
現場を歩けば、看板を掲げ続けている総菜店や飲食店、日用品を扱う店舗からは確かな生活の息づかいが伝わってきます。全盛期の密度こそ失われたものの、街の機能は決して途絶えていません。