現在の獣医学において、体内からFIVウイルスを完全に取り除く根治療法は確立されていません。そのため、治療の中心は「ウイルスの増殖を抑える免疫サポート」と「発症時の症状緩和」になります。
代表的な選択肢がネコインターフェロン製剤を用いた治療法です。ウイルスの活動を抑え、自己免疫力を底上げする目的で投与され、特に発症初期や難治性口内炎の炎症緩和に対して高い効果を示す事例が報告されています。
また、猫エイズのQOL(生活の質)を最も大きく脅かす口内炎のケアには日頃の工夫が欠かせません。痛みを和らげる消炎鎮痛剤や抗生剤の適切な使用はもちろん、自宅では以下のような配慮が役立ちます。
- ウェットフードを人肌程度に温めて香りを立たせ、喉越しを滑らかにする
- フードをペースト状やスープ状にして舌への摩擦を減らす
- 無理のない範囲でデンタルジェルを活用し、口腔内の細菌繁殖を抑える
何よりも最大の特効薬は「完全室内飼育」による感染症リスクの排除と「徹底したストレスフリー環境」です。寒暖差のない快適な室温維持や、静かに眠れる安心な居場所作りが、免疫維持に直結します。