池上氏はジャーナリストとして現場を駆け回る傍ら、東京工業大学(現・東京科学大学)の特命教授や他大学の客員教授として、長年にわたり若者のリベラルアーツ教育に力を注いできた。
学生たちに「自分の頭で考え、問いを立てる力」を説き続けてきた池上氏だが、家庭内における教育方針もまさにそれと同じだったという。勉強を無理強いすることは一切なく、世界情勢や身の回りの疑問について対等に議論を交わす環境が日常にあった。
「正解を教えるのではなく、調べ方を教える」という父のスタンスは、息子たちに自立心と冷静な複眼思考を植え付けた。父親と同じ道を歩ませるのではなく、それぞれが自分の頭で選んだ道を尊重した結果が、現在の息子たちの生き方に表れている。