制度設計を急ぐ首相官邸と、皇室の尊厳と伝統を守りたい宮内庁との間には、微妙な温度差が存在する。日本経済新聞をはじめとする経済メディアが政治主導の法改正スケジュールを報じる一方、NHKなどの報道からは宮内庁側の慎重な姿勢が浮き彫りになっている。
宮内庁内部には、当事者たる皇族方のお気持ちや日々の祈りをないがしろにした政治的駆け引きへの強い警戒感がある。国民的合意のないまま拙速に法改正を行えば、将来に禍根を残しかねない。政治的リアリズムと宮中の伝統維持意識のせめぎ合いが、水面下の合意形成をより複雑なものにしている。