実際に毛が抜けにくい猫と暮らす飼い主たちのコミュニティや取材現場からは、一般的な猫の飼育とは異なる独自のリアルな苦労と満足度が浮かび上がっています。
都内のマンションでデボンレックスと暮らす30代女性は、その生活感を次のように明かしています。「以前実家で日本猫を飼っていたときは、黒いスーツを着て出勤する前のコロコロがけに毎日5分以上費やしていました。しかし現在の生活では、カーペットやソファーに毛が刺さることが一切ありません。掃除機に溜まるゴミの量が劇的に減った点には感動しました」。
その一方で、温度管理の厳格さに関する切実な現場の声も目立ちます。シングルコートや無毛の猫は、外気から身を守る断熱材としての被毛が極端に薄いため、寒暖差に極めて脆弱です。取材に応じた獣医師はこう警告します。「冬季に室温が20度を下回ると、これらの猫種は容易に低体温症や免疫力低下による上部呼吸器感染症(猫風邪)に陥ります。エアコンによる24時間体制の室温管理(22〜25度設定の維持)は必須条件であり、年間の電気代増加は避けて通れません」。
さらにSNSや相談掲示板では、「毛が抜けないから楽だと思って迎えたが、冬場は専用の洋服を着せなければならず、皮膚が擦れて皮膚科通いになった」という予期せぬ医療費の負担に悩む声も投稿されています。手入れの種類が「抜け毛掃除」から「皮膚と体温の維持管理」へとシフトするだけであるという認識が必要です。