Ego-Wrappin'『満ち汐のロマンス』が今も時代を魅了する決定的理由

Ego-Wrappin'『満ち汐のロマンス』が今も時代を魅了する決定的理由

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アルバム『満ち汐のロマンス』は、オープニングからラストに至るまで、一本の映画を鑑賞するようなドラマティックな構成美を誇ります。収録された全9曲はそれぞれ異なる表情を持ちながらも、通底するダークでロマンティックな美意識によって強固に結ばれています。

幕を開ける「かつて..。」の静謐な導入から、続く「SPACY BALL」で見せるサイケデリックなグルーヴへの展開は、リスナーを一気に真夜中のキャバレーへと引き込みます。そして本作のハイライトの一つである「サイコアナルシス」では、狂気を孕んだウッドベースのウォーキングと猛烈なホーン隊が炸裂。中野良恵のスキャットと咆哮が絡み合い、バンドのアンサンブルは沸点へと到達します。ライブハウスの熱気をそのままパッケージしたかのようなこのトラックは、当時の制作現場における極度の集中とアドレナリンの産物であったと伝えられています。

中盤を彩る「爪痕」や「スリル」で見せる陰影に富んだアレンジ、そして表題曲である「満ち汐のロマンス」が湛えるメランコリックな叙情性は圧巻の一言です。寄せては返す波のように揺れるコード進行の上で、失われた愛の残像が鮮やかに描き出されます。

そしてアルバムの終幕を飾るのが、フルバンド編成で再録音された「色彩のブルース」です。ミニアルバム版のアコースティックな手触りから一転、ホーンとストリングスが重厚に響き渡るアレンジによって、昭和の路地裏の哀愁は普遍的な人間ドラマの領域へと昇華されました。

伊藤 翔太
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伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。