法律上は自由だと理解していても、辞退連絡を入れた際に人事に激怒されるのではないかという恐怖は拭えないものです。編集部が独自に調査した大手就職掲示板やSNS、当事者への取材では、実際に内々定辞退で怒られた体験談が生々しく報告されています。
ある都内私立大学の男子学生は、6月中旬にIT系中堅企業の内々定辞退を電話で伝えた際、採用責任者から「うちの面接官全員の時間を無駄にした責任をどう取るつもりだ」「誠意を見せるために明日スーツを着て本社に来い」と15分間にわたり怒鳴りつけられたと証言しています。また、別の女子学生は「今辞退するなら大学名をキャリアセンターに通報して、来年から君の大学の採用枠をすべて無くす」と脅迫まがいの言葉を浴びせられたといいます。
こうした理不尽な対応に遭遇した際、決して相手の指示通りに一人で企業へ謝罪に出向いてはいけません。密室での長時間の説教やサインの強要など、二次被害に巻き込まれるリスクがあるためです。万が一トラブルに発展した場合は、直ちに大学のキャリアセンターへの相談経緯を作り、大学側から正式に企業へ抗議を入れてもらうルートを選択するのが最善です。大学の就職課はこうした企業の横暴に対して強い調査権と交渉窓口を持っており、大学が介入した途端に企業の態度が軟化するケースがほとんどです。
一方で、自由応募とは全く異なる重いリスクを孕んでいるのが教授推薦辞退のトラブルと評判です。教授推薦は、大学の研究室や学部と企業が長年築いてきた信頼関係に基づく「事実上の特待ルート」です。推薦内定を自己都合で一方的に辞退した場合、学生自身への法的罰則こそありませんが、翌年以降の後輩への推薦枠が取り消されたり、指導教員の学外共同研究に支障が出たりするなど、実質的な組織間トラブルへと直結します。どうしても推薦先の内定を辞退せざるを得ない正当な理由(健康問題、家庭環境の急変、配属先の重大な変更など)が生じた場合は、企業へ直接連絡する前に、必ず指導教員と学部長、キャリアセンターに膝詰めで相談し、大学側から企業へ公式に頭を下げてもらう手順を踏まなければなりません。