手作り風鈴に関するWeb上の情報には、物理的な視点が抜け落ちた誤ったアドバイスも散見されます。典型的な3つの思い込みを正しく理解しておく必要があります。
第一の誤解は、「どんな風鈴でも内側に鈴をぶら下げれば解決する」という俗説です。風鈴の舌として鈴を採用する場合、短冊の引き波によって鈴自体が激しくスイングしなければ内部の玉(クラッパー)が壁面に衝突しません。超小型(直径8mm以下)の鈴を重い短冊と組み合わせると、風を受けても鈴全体が水平移動するだけで、内部の玉が微動だにせず無音状態に陥ります。鈴を使う際は十分な内部空間を持つ15mm以上のサイズを選ぶのが基本です。
第二の誤解は、「短冊は重くて硬いプラスチック板のほうが風をしっかりキャッチできる」という認識です。短冊に下敷きや厚手のアクリル板を使うと、微風時の「ひらひらとした flutter(はためき)現象」が発生せず、強風が吹くまで全く動かない鈍重な風鈴になってしまいます。風鈴を機能させるためには、風の乱流を捉えて自発的にねじれ運動を起こす薄手の和紙やケント紙が力学的に最も適しています。