緑山峠を語る際、インターネット上の掲示板やSNSで頻繁に持ち上がるのが「心霊スポットとしての噂」です。「深夜に首なしライダーが並走してくる」「カーブの奥に白い服を着た女性が立っている」「スタジオの外壁沿いで不気味な視線を感じる」といった怪談が、都市伝説としてまことしやかに語り継がれてきました。
しかし、警察の過去の事故事例や道路環境を検証すると、これらの噂が生まれた背景には極めて現実的かつ悲惨な理由が存在します。全盛期の緑山峠では、オーバースピードによるガードレール激突、センターラインオーバーによる正面衝突、崖下への転落事故が日常茶飯事でした。実際に命を落とした若者も少なくなく、現場には長い間、献花や線香が絶えませんでした。
また、当時の緑山峠周辺は現在のように街灯が整備されておらず、スタジオの広大な敷地と雑木林が隣接していたため、夜間は視界が極端に悪い暗闇が広がっていました。視界不良のブラインドコーナーでスピンした記憶や、命を落とした仲間への恐怖と罪悪感が、いつしかオカルト的な怪談話へと形を変えて語り継がれたというのが真相です。