佐賀の魅力を語る上で外せないのが、南北に異なる海を持ち、肥沃な佐賀平野がもたらす豊かな食文化です。佐賀県で有名な食べ物は、素材本来のポテンシャルをストレートに味わえる逸品が揃っています。
筆頭に挙げられるのが佐賀牛です。JAグループ佐賀管轄の肥育農家で育てられた黒毛和牛のうち、最高肉質等級である「5」および「4」のBMS(脂肪交雑)値7以上という極めて厳格な基準をクリアしたものだけが名乗ることを許されます。首都圏の高級鉄板焼き店でも羨望の的となるこの銘柄牛は、県内各地の佐賀牛取扱店(佐賀市内の「季楽」など直営レストランが有名)で、都市部相場の半額から3分の2程度の納得価格で堪能できます。
玄界灘の荒波に育まれた呼子のイカ活造りは、鮮度管理の極致を体現する名物です。注文を受けてから生簀(いけす)から揚げられるケンサキイカやアオリイカは、身が透き通るほど透明で、コリコリとした歯ごたえと噛むほどに広がる強い甘みが特徴。刺身を楽しんだ後、ゲソやエンペラを天ぷらや塩焼きにしてくれる「後造り」まで含めて一つの完成されたコース料理と言えます。
一方、日本一の干満差を誇る有明海に目を向けると、太良町名物の竹崎カニが鎮座しています。ワタリガニの一種ですが、豊富なプランクトンを食べて育つため甲羅いっぱいに身とミソが詰まっています。竹崎カニの旬の時期は年に2回あり、濃厚な内子(卵)が詰まったメスは11月〜5月の冬場、身が引き締まり甘みが強まるオスは7月〜10月の夏秋にピークを迎えます。
さらに、全国のスーパーやデパートで贈答品として圧倒的なシェアを握る佐賀海苔の特徴も見逃せません。最大6メートルの干満差と河川から注ぐミネラルにより、柔らかく、口の中でとろけるような食感と芳醇な香りを誇り、販売枚数・販売額ともに20年連続で日本一を争う孤高の品質です。
B級グルメやソウルフードにも強烈な個性があります。佐賀市内の喫茶店がルーツとされるシシリアンライスの発祥は1970年代半ば。温かいご飯の上に甘辛く炒めた牛肉、レタスやトマトなどの生野菜を盛り、仕上げにマヨネーズを網状にかけたワンプレート料理で、現在も市内の多くの飲食店で定番ランチとして愛されています。また、九州出身者のソウルアイスである竹下製菓の「ブラックモンブラン」も小城市発祥。バニラアイスをチョコレートとザクザクのクランチで覆った中毒性の高い味わいは、全国のコンビニアイスマニアの間でも殿堂入りを果たしています。