豊富温泉の最大の特徴は、何といっても淡黄色に澄んだ湯の上に黄金色の油膜が張る独特なビジュアルと、ほのかなタール臭です。世界的に見ても、石油分を自然含有する温泉はアゼルバイジャンのナフタラン温泉など数カ所しか存在せず、日本国内では極めて希少な存在といえます。
泉質分類としては含よう素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(弱アルカリ性高温泉)に属します。温泉水に含まれる微量の原油成分(タール類・フェノール類)が優れた殺菌・抗炎症作用を発揮するとともに、豊富に含まれるメタケイ酸や重曹成分が角質をやわらげ、塩化物泉のコーティング作用によって肌の水分蒸発を防ぎます。
皮膚科学の分野でも研究が進んでおり、油分が肌表面に薄い保護膜を形成することで外部刺激をブロックし、患部のバリア機能をサポートするメカニズムが実証されています。単なる民間伝承にとどまらず、医学的な見地からも理にかなったアプローチとして支持され続けています。