カネスエ 西春 店へ一歩足を踏み入れると、棚一面に並ぶ圧倒的な低価格商品と、買い物カートをリズミカルに走らせる買い物客の熱気に圧倒される。長引く物価上昇が家計を直撃し続けるなか、愛知県北名古屋市の住宅街に位置するこの拠点は、地域住民にとって単なる買い出しの場を超え、生活防衛の絶対的な砦として機能している。なぜこれほどまでに人を引きつけるのか。記者が現地に足を運び、その熱源を探った。
名鉄犬山線 西春駅から車を走らせると見えてくる大きな看板。平日の昼下がりであってもカネスエ 西春 店の駐車場にはひっきりなしに車が吸い込まれ、トランクいっぱいに段ボール箱を積み込む人々の姿が絶えない。近隣の競合スーパーマーケットと比べても、その熱量は明らかに異質だ。
2026年最新チラシ・特売情報と会員割引の裏ワザを現地調査
特売チラシを血眼になって探す時代は終わったのかもしれない。現在、大手チラシアプリの「Shufoo!(シュフー)」や「トクバイ」を開いても、カネスエ 西春店の派手な日替わりセール広告は見当たらない。実はこれこそが同店の仕掛けた計算なのだ。日替わりの目玉商品で客を釣るのではなく、いつ訪れても地域最安値級で買える仕組みを整えている。
だが、知る人ぞ知る「割引の裏ワザ」は確実に存在する。その鍵を握るのが「カネスエファンクラブカード」だ。入会金わずか200円(年会費無料)で発行できるこのカードをレジで提示し、現金決済を選択するだけで、食品や日用品の対象商品がその場で3パーセント相当値引きされる。クレジットカードや電子マネー全盛の今、あえて現金決済に特典を絞ることでキャッシュレス決済手数料を削減し、それをそのまま客に還元する構造だ。端数まで切り詰めたい買い出しでは、この数パーセントの差が月単位で数千円の差となって跳ね返ってくる。
「毎日が特売」を貫くEDLP戦略と食品流通業のイノベーション
株式会社カネスエを率いる代表取締役社長の牛田彰氏は、日本の小売業においていち早く「EDLP(エブリデイ・ロープライス)」を徹底導入したパイオニアとして知られる。特売期間だけ人を集めて一時的な狂騒を作るのではなく、毎日同じ低価格で提供し続ける。これにより、需要の急激な乱高下を防ぎ、発注や物流、陳列のコストを極限まで削ぎ落とすことに成功した。
店内の陳列を見渡すと、段ボール箱をそのまま積み上げて商品を露出させるディスプレイが目立つ。商品を一つひとつ手作業で棚に並べ替える手間を省き、バックヤードからの運搬回数を減らす。食品流通業の無駄を徹底的に削ぎ落とした現場のオペレーションは、まるで研ぎ澄まされた工場のようだ。徹底した合理化の果実が、値札の数字にストレートに反映されている。