我田引水の英語表現を直訳しようとするとニュアンスが抜け落ちてしまいます。英語圏でも農業の歴史に即した比喩表現や、直接的な口語表現が複数存在します。
最も直訳に近く語源の背景が似ているのが「draw water to one's own mill」(自分の水車小屋に水を引く)です。小麦を挽くための動力である水を独占しようとする西洋の農村風景が反映されており、我田引水の故事と驚くほど発想が一致しています。
ビジネスの現場でより頻繁に使われる実用的な表現としては、以下が代表的です。
- Feather one's own nest:(自分の利益ばかりを図る・私服を肥やす)
鳥が自分の巣に羽毛を集めて居心地を良くする様子から転じ、役職や予算を利用して私腹を肥やす行為を指します。 - Look out for number one:(自分のことしか考えない・自分第一で動く)
口語表現で「number one」は自分自身を意味し、他者を無視して自分の都合を最優先する態度を端的に表します。 - Self-serving:(自己奉仕的な・都合のいい)
ビジネスレポートや契約交渉で「a self-serving interpretation(我田引水な解釈・身勝手な解釈)」として最も多用される客観的形容詞です。