ネット社会において、極めて高い拡散力を持つのが「卒アル画像流出」と「同級生タレコミ」だ。なぜ当事者や所属事務所が非公開にしている過去の履歴が、これほど容易に暴かれてしまうのか。そこにはデジタルタトゥー特有のメカニズムが存在する。
卒業アルバムは1学年で数百人、教職員や保護者を含めれば数千人の手に渡る紙媒体だ。持ち主の誰か1人がスマートフォンのカメラで撮影し、匿名アカウント経由でネットにアップロードした時点で、情報は半永久的に回収不可能となる。芸能プロダクション関係者はこう明かす。
「本人がどれだけ過去の痕跡を消そうと努めても、学生時代の人間関係まで完全にコントロールすることは不可能です。かつて仲が良かった友人ではなく、むしろ『同じ学年にいたが話したこともない知人』が、小遣い稼ぎやSNSのフォロワー欲しさに画像を売り渡す事例が後を絶ちません」
さらに同級生タレコミと称する投稿の多くには、強烈な承認欲求やルサンチマン(嫉妬心)が混ざり合う。「学生時代は地味だった」「当時は〇〇部で補欠だった」といった真偽不明の証言が尾ひれをつけて広がる背景には、急速にスターダムへ駆け上がった元身内に対する複雑な心理が横たわっている。記者が現場で行う出身校特定のプロセスでは、匿名のタレコミは一切信用せず、都道府県の高野連・中体連の公式試合記録、自治体の広報だより、全国模試の成績優秀者一覧など、改ざん不可能な紙ベースの一次公的記録との突合を必須条件としている。