動物病院の現場やペットケアの専門機関が監修する「獣医師監修の犬の果物ガイド」においても、いちごは中毒性のない安全な食材としてリストアップされています。ネギ類やチョコレート、ぶどうのように微量で命に関わる中毒物質は含まれていません。むしろ、適切な量と与え方を守れば、犬の健やかな体をサポートする複数の栄養的恩恵を得られます。
まず注目すべきは、全体の約90%を占める豊富な水分です。冬場や季節の変わり目など、自発的に器から水を飲まない犬にとって、香りが良くてみずみずしいいちごは手軽で嗜好性の高い水分補給源として機能します。
さらに、いちごには100gあたり約62mgものビタミンCが含まれています。犬は自身の肝臓でブドウ糖からビタミンCを体内で合成できる動物ですが、加齢や激しい運動、日々の精神的ストレスに晒されると合成能力を上回るペースで消費されます。そうした際、抗酸化作用を持つビタミンCや、赤色の色素成分であるポリフェノール(アントシアニン)を食事から補うことは、細胞の酸化ストレスを和らげる一助になります。
また、水溶性食物繊維であるペクチンも適度に含まれており、腸内の善玉菌を増やして便通を整える効果が期待できます。ただし、これらの健康効果は「適切な消化・吸収能力」があって初めて成立するものです。