ネットスラングとしての「不謹慎厨(ふきんしんちゅう)」は、ピクシブ百科事典やニコニコ大百科の記録を紐解くと、元々は1つの言葉の中に正反対とも言える2つの意味を内包して誕生した稀有な造語です。第1の意味は「大災害や大事故に便乗して故意に悪質なネタを投稿し、他者に迷惑をかける愉快犯」。そして第2の意味が「他者の極めて普通な言動に対し、不謹慎であると過剰に難癖をつけて叩く批判者」を指します。
Weblio辞書などの解説でも示されている通り、現在ソーシャルメディア上で広く警戒されているのは圧倒的に後者のタイプです。かつて東日本大震災の時期に多発した「不謹慎狩り」や、感染症流行期に猛威を振るった「自粛警察」の系譜を受け継ぎ、2026年の現在ではX(旧Twitter)やTikTokなどの即時型プラットフォームにおいて、突発的な炎上を引き起こす主要因として定着しています。
近年のネット空間では、単なる批判を超えて個人を社会的に抹殺しようとする「正義マン」化が進んでおり、本来は配慮の範囲内であるはずの個人の自由な表現が、理不尽に制限される窮屈な空気感を生み出す元凶となっています。