取り外した注連縄をどう処分するか。もっとも伝統的で理想とされるのは、小正月の前後に各地の神社や地域コミュニティで執り行われる「左義長(どんど焼き・とんど焼き)」に納めることだ。正月飾りを神聖な炎で焚き上げ、その煙とともに年神を天へとお見送りする儀式である。
しかし、仕事の都合や回収日の見落としで、左義長に間に合わないケースは珍しくない。「神社に持って行けなかったからゴミとして捨てるしかないのか」「罰が当たるのではないか」と不安を募らせる人もいるだろう。結論から言えば、自宅で一般のゴミとして処分しても何ら不敬には当たらない。大切なのは、感謝の念を込めた「お清め」のプロセスを踏むことだ。
自宅で処分する際の手順は極めて簡明だ。まず、注連縄に付いているプラスチック製のみかんや針金、金属などの不燃パーツを取り外し、素材ごとに分別する。次に、清潔な白い紙(半紙や新聞紙の白面)を広げ、その上に注連縄を置く。全体にひとつまみの粗塩を「左・右・左」の順で振りかけ、感謝の言葉を心の中で唱えながら紙で丁寧に包み込む。
こうして清めた包みは、他の生活ゴミとは別の袋に入れるか、ゴミ袋の最上部に置いて可燃ゴミとして出す。かつて神を迎えた器に対して礼を尽くすこのひと手間が、後悔や心理的な後ろめたさを払拭し、晴れやかな気持ちで日常へと戻るための区切りとなる。