伊勢丹メンズ館をはじめとするハイエンドな売り場が提案するのは、トレンドを取り入れつつも礼節を保った上質なスタイリングだ。一方で、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」の投稿などを見ると、リアルな着こなしのなかに散見されるNG例も浮き彫りになる。新郎と被る純白のスーツ、黒無地のスーツに黒ネクタイを合わせた喪服を想起させる組み合わせ、あるいはダメージ加工のデニムやスニーカーといった過度なカジュアルダウンは明確に避けるべきだ。
メンズファッション業界のプロたちが口を揃えるのは、「カジュアル=手を抜くことではない」という点だ。足元には手入れの行き届いた革靴を選び、内羽根のストレートチップや端正なダブルモンクストラップで全体を引き締める。この足元の重厚感こそが、軽やかなジャケパンスタイルをだらしなく見せないための防波堤となる。