結論から整理すると、お参りにおける11円は「非常に縁起が良い」と解釈される一方で、「硬貨の出し方によっては縁起が悪い」と忌避される二面性を抱えています。この両極端な評価の背景には、日本人が古来大切にしてきた言葉の響き、すなわち「言霊(ことだま)」と語呂合わせの文化があります。
お賽銭で11円が好まれる最大の理由は、「11=いい(11)縁(円)」というストレートで前向きな語呂合わせです。新しい出会いを求める独身層や、新規事業の成功、取引先との信頼関係を強めたいビジネスパーソンの間で、ゲン担ぎとして選ばれ続けてきました。1桁の「5円(ご縁)」よりも具体的な願いが込めやすいと感じる参拝者は少なくありません。
しかし、危険視される理由は「11円」という総額ではなく、その内訳にあります。多くの人が手元にある「10円玉1枚と1円玉1枚」で11円を作ろうとしますが、この行為が俗信の世界で警告の対象となっているのです。10円玉が持つ「遠縁」という連想が、11円の「いい縁」という吉意を打ち消してしまうと考えられているためです。