ウェブやSNS上には美しい絶景写真が溢れていますが、現地を訪れるにあたって知っておくべき「落とし穴」や誤解も存在します。
第1の誤解は、「夏は避暑地だから涼しくて快適な軽装で十分」という思い込みです。標高1,925メートルの車山山頂は、平地(標高0m地点)と比べて気温が約12度前後低くなります。さらに高原特有の強風が吹き抜けると、風速1メートルにつき体感温度は約1度低下します。平地が30度を超える猛暑日であっても、山頂で風が吹けば体感温度は15度以下まで冷え込むことが珍しくありません。ウインドブレーカーや羽織るものを持たずに半袖・短パンで訪れ、寒さでテラス滞在を数分で断念する観光客が後を絶ちません。
第2の盲点は、ニッコウキスゲの開花状況に関する認識のズレです。ネット上の過去の絶景写真を見て「夏休み中(8月)ならいつでも咲いている」と誤解して訪れる方が多く見られますが、ニッコウキスゲのピークは7月上旬から中旬の約2週間程度と非常に短期間です。8月に入ると花はほぼ終わり、緑一面の草原景観へと移り変わるため、黄色い花畑を目的にする場合は開花情報をピンポイントで狙う必要があります。
第3に、「リフトがあるからサンダルやヒールでも大丈夫」という油断です。山頂テラス周辺は木道やデッキが整備されていますが、リフトの乗り降り場所や山頂標識周辺はゴツゴツとした溶岩や小石が転がる未舗装の地面です。足首を痛める危険があるため、最低でもスニーカーや歩きやすいフラットシューズの着用が必須です。