多くの日本人にとって、『モチモチの木』は幼少期の記憶と深く結びついている。臆病者の豆太が、病に倒れたじさまのために勇気を振り絞って医者を呼びに走るストーリー。そして、暗闇の中に美しく浮かび上がるモチモチの木の灯り。あの強烈なビジュアルが、2026年の今、アパレルというキャンバスの上で蘇った。
「子供の頃は怖かったけれど、今見ると信じられないほどかっこいい」。そう語るのは、都内のセレクトショップで働く20代の男性だ。白と黒のコントラストが効いた切り絵のデザインは、ミニマルでありながらも強烈な個性を放ち、どんなコーディネートにも不思議と馴染む力を持っている。