本格派の仕上がりを目指すうえで絶対に外せないのが、世界で最も高価なスパイスの一つとされるサフランである。ぬるま湯に浸して抽出した鮮やかな黄金色のエキスの香りは、料理全体の格を格段に引き上げてくれる。近年はパエリアの素なども手軽に入手できるが、本物の香辛料が醸し出す気品高いアロマは別格と言わざるを得ない。
かつて伝説的レストラン「エル・ブジ」で世界の食文化を塗り替えたシェフ、フェラン・アドリア氏も「素材の出汁とお米との対話こそがスペイン料理の真髄」と提示した。家庭で作る際にも、市販のスープに頼るだけでなく、海鮮の殻から取った自家製スープやパプリカパウダーを隠し味に効かせるだけで、驚くほど奥行きのあるプロの味が完成する。