危険なのは飛来する種子だけではない。幹全体を覆い尽くすびっしりと尖った円錐形のトゲは、まるで中世の拷問器具を思わせる。ツリークライミングや登木を試みる大型の哺乳類を寄せ付けないための完全な防御壁だ。
さらに樹皮を傷つけると分泌される白濁した樹液は、強力な毒素を含んでいる。かつて先住民が毒矢の塗布薬として使用したり、川に流して魚を麻痺させる漁に用いられた歴史がある。目に入れば失明の危険すらあり、皮膚に触れれば激しい炎症と水ぶくれを引き起こす。触れることも、近づくことすら躊躇わせる全身兵器のような構造だ。