あの日、新潟の街には初冬の冷たい風が吹き抜けていた。部活動を終えた友人と角で別れた直後、自宅まであとわずか数分の距離で少女の消息は消息を絶った。夕食の準備をして待っていた家族の元へ、彼女が戻ることは二度となかった。夜を徹して行われた必死の捜索活動にもかかわらず、残されたのは静まり返った暗い道と、何の手がかりもない絶望的な静寂だけだった。
事件直後、地元警察による大規模な捜査が展開されたものの、現場には争った形跡すら残されていなかった。事件性の有無すら明確にならないまま、月日だけが空しく流れていく。家族にとっての毎日は、出口のない暗闇を手探りで進むような地獄の苦しみだった。「なぜ、うちの子が」「どこでどう生きているのか」——答えの出ない問いが、母親の早紀江さんをはじめとする家族の心を苛み続けた。