この歴史的言句は、現代の処世術・ビジネス哲学としてもきわめて示唆に富んでいる。特に事業承継や後継者育成に悩む企業の経営者にとって、「美田を残さない」という決断は、組織の命運を分けるカギとなる。
創業者や経営トップが過度な資産や盤石すぎるポジションを2代目、3代目に無条件で与えてしまうと、組織は往々にしてイノベーションの情熱を失う。守るべきものが多すぎる組織は守旧派に変貌し、変化の激しい市場で淘汰されていくからだ。あえて「美田を買わない」、つまり完成された安全地帯を与えず、新規事業や厳しい市場開拓に挑ませる経営判断こそが、次世代のビジネスリーダーを本物の起業家へと鍛え上げる。