フジテレビジョンが放った『リーガル・ハイ』の出現は、硬直化していた法律ドラマの枠組みを根底から覆した。脚本を手がけた古沢良太が描いたのは、人情や道徳を一切信じず、「勝った者が正義」と言い放つ拝金主義の毒舌弁護士・古美門研介である。
この希代の怪物を演じきった堺雅人の演技力は圧巻のひと言に尽きる。1テイクで数分間に及ぶ膨大な専門用語混じりの早口長台詞を、淀みなく、かつ圧倒的なリズム感と狂気をもって吐き出す。新垣結衣演じる理想主義の若手弁護士・黛真知子との丁々発止の掛け合いは、コメディとしての最高峰のグルーヴを生み出した。「正義とは何か」という重い命題を、極上のユーモアとシニシズムで包み込んで提示した本作は、今なおカルト的な人気を誇る。