前作から10年ぶりのオリジナル・アルバムとなった『Precious Days』の制作現場でも、ふたりの阿吽(あうん)の呼吸は遺憾なく発揮された。スタジオに入れば、夫婦という甘えは一切排除される。一音のピッチ、言葉のアクセントひとつに至るまで徹底的なディスカッションが交わされるという。
ボーカルのディレクションを務める山下達郎の要求は極めてシビアだが、竹内まりやは「私の声の魅力を一番理解して引き出してくれるのは達郎さん」と絶大な信頼を寄せる。妥協を許さないプロ同士の緊張感と、底知れぬリスペクトが同居する現場から、珠玉の楽曲群が生み出された。