東宝が手掛ける育成方針は、他社の一過性のブーム狙いとは一線を画す。第1回グランプリの沢口靖子に始まり、第5回で栄冠を掴んだ長澤まさみは、今や日本アカデミー賞の常連として邦画界の頂点に君臨している。さらに第7回で審査員特別賞を受賞した浜辺美波の躍進は記憶に新しい。
グランプリだけでなく、受賞者全員を長期的な視野で大切に育てる土壌がある。レッスン期間を充分に確保し、舞台や映画の小規模な役から着実にステップアップさせる手腕は秀逸だ。焦って消費させることなく、個々人の成長曲線に合わせて名作の主演へと導く戦略こそが、「シンデレラブランド」の最大の強みと言える。