こうした科学的知見の集積を受け、海外の政策決定者たちは「自己責任論」からの脱却を急速に進めている。欧州連合(EU)諸国や中南米の主要国に続き、2026年に入りアジア諸国でも高カロリー・低栄養食品に対する規制の枠組みが本格化し始めた。
代表的な動きが、高脂肪・高糖質・高塩分食品に対する課税、通称「ジャンクフード税」の強化だ。イギリスでは児童の肥満率低減を目的に、19時前のテレビCMおよびオンライン動画における高脂質・高糖質食品の広告出稿を全面的に禁止する法的措置が施行された。パッケージ前面に警告ラベルの表示を義務付ける国も急速に増えている。
「たばこ規制と同じ軌跡を辿っている」と国際公衆衛生政策の専門家は指摘する。かつてタバコ産業が歩んだ道と同様に、食品産業に対しても社会的なコスト負担と厳格な情報開示を求める圧力が最高潮に達しているのだ。