甘利氏の政治的業績の頂点とも言えるのが「経済安全保障推進法」の成立だ。かつては通商産業政策と呼ばれた領域に「安全保障」の概念を強引に接木し、国の根幹産業を守る法体系を整えた。
半導体・先端技術産業を巡る米中対立が激化するなか、供給網の寸断は即座に国家の機能不全を意味する。原材料の調達から基幹インフラの安全性確保、さらには機微技術の海外流出防止に至るまで、彼が張り巡らせたセーフティーネットは今、実効性の段階へと移行している。官邸筋からは「経済安保のアーキテクチャは甘利氏の頭の中にしかない」と囁かれるほど、その存在は法制度の運用においても決定的な重みを持つ。