配信プラットフォームが評価を集める一方で、映画館の存在意義を強烈に再認識させたのが『トップガン マーヴェリック』だった。音響賞を受賞した本作は、コロナ禍で大打撃を受けた興行界を救い出し、「映画館でしか味わえない興奮」を世界中の観客に思い出させた。
スティーヴン・スピルバーグ監督がトム・クルーズに対し「君がハリウッドを救った」と賛辞を贈ったエピソードは象徴的だ。大手スタジオ主導のメガヒット大作と、作家性を前面に押し出すインディペンデント作品、そして配信オリジナルの重厚作がそれぞれの役割を果たし、ハリウッド映画産業は単なる商業主義から多様な表現を受け入れる成熟期へと確実に舵を切った。