話題の人気店が45都道府県まで勢力を伸ばしながら、なぜ特定の2県だけ未進出のままなのか。その裏には、消費者の需要とは別のビジネスモデル上のシビアな判断が存在します。取材を進めると、主に3つの構造的な要因が浮き彫りになりました。
第1の壁は「物流網(サプライチェーン)と配送コストの限界」です。特にチルド食品や生鮮品を扱う業態では、専用工場(セントラルキッチン)やマザーデポから一定時間内に配送できる距離に制限があります。フェリー輸送を挟む沖縄県や、山越えルートを要するエリアは輸送コストが跳ね上がり、1〜2店舗の展開では採算が合いません。
第2の壁は「2026年問題以降のトラック輸送制約」です。2026年の物流現場ではドライバーの連続運転時間規制が厳格化されており、長距離輸送のハードルは以前にも増して高くなっています。中継拠点の設置なしには遠隔地への供給ラインを維持できない現実があります。
第3の壁は「地元密着型チェーンの強固な防衛網」です。進出候補地にすでに地元住民から絶大な支持を得ているローカルスーパーや地場ドラッグストアが盤石なドミナントを築いている場合、後発のナショナルブランドは出店用地の確保すら困難を極めます。