日本における「ホットケーキ」の歴史は思いのほか古い。昭和初期の1927年、デパートの食堂で「ハットケーキ」として登場したのが始まりとされる。戦後の高度経済成長期を経て、家庭用にミックス粉が普及すると、それは「お母さんが作ってくれる温かくて甘いおやつ」の代名詞となった。銅板でじっくり焼き上げられ、バターとメープルシロップが溶け出す情景は、昭和のあたたかな記憶そのものだ。
対して「パンケーキ」が爆発的な認知を得たのは平成以降である。2000年代後半からハワイやオーストラリア発の人気店が相次いで上陸。食事系から豪華なスイーツ系まで幅広く展開し、甘さを抑えた生地にベーコンやエッグ、あるいは山盛りの生クリームを添えるスタイルは、従来の「おやつ」の概念を爽快に覆した。