なぜカロリー計算だけで体重をコントロールできないのか。その答えは、内分泌代謝学が解明しつつある複雑なホルモンネットワークにある。人間は単なる加熱炉ではない。食べたものをそのまま燃やすのではなく、複雑な内分泌系を介してエネルギーの保存と消費を緻密に調整している。
過剰なインスリン分泌は、脂質分解酵素の働きを強力に阻害する。どれだけ総カロリーを抑えても、超加工食品や清涼飲料水などでインスリンが跳ね上がっていれば、脂肪細胞はロックされたままだ。逆に、インスリンレベルを低く保てば、体脂肪はスムーズに遊離脂肪酸として血中に放出され、エネルギーとして燃焼される。太るか痩せるかを決めているのは、熱量計算ではなくホルモンのスイッチなのだ。