映画『NANA』で中島美嘉が提示したスタイリングは、パンクのクラシックなコードを現代的なモードへと昇華させた点に真価がある。ダメージデニムに繊細なモヘアニットを重ねる絶妙な質感のコントラスト。首元に光るレザーチョーカーと重厚なオーブペンダントのレイヤード。これらは、無骨なロンドン・パンクに日本の繊細なレイヤード感覚を融合させた革新的なバランス感覚の賜物だった。
そして2026年、この伝説のコーデはランウェイとストリートの双方で劇的なリバイバルを遂げている。近年のグランジ・Y2K再評価の波に乗り、オーバーサイズのヴィンテージレザージャケットや構築的なテーラードに、あえて当時のアーカイブピースをミックスする手法が世界中のファッショニスタを魅了。当時の映画衣装が放っていた「不完全さの美」が、洗練された現代のストリートスタイルへと見事にアップデートされている。