「日本の夏は、サモエドにとって命がけの環境です」と警鐘を鳴らすのは、都内の動物病院で院長を務める獣医師だ。小動物臨床獣医療の現場では、初夏から秋口にかけて熱中症で緊急搬送される北方原産犬が後を絶たない。極寒に耐えうる被毛は熱を外に逃がしにくいため、日本の高温多湿な気候は身体へ猛烈な負荷をかける。
夏場の室内エアコン24時間フル稼働は基本中の基本。室温は20度前後、湿度も50%以下に保つ必要があるため、夏季の電気代だけで月数万円の支出を覚悟しなければならない。さらに、股関節形成不全や胃捻転・胃拡張症候群(GDV)といった大型犬特有の疾患リスクも常に付きまとう。いざという時の高額な医療費や保険の備えは、飼い主の最低限の義務といえる。