流通業界の専門誌や経済ニュースにおいて、同社の動向が連日のようにトップ記事を飾る理由は、その極端なまでの「現場主導主義」にある。一般的なスーパーマーケットチェーンでは、本部のバイヤーが一括して商品を仕入れ、各店に同一の陳列マニュアルを配るのが常識だ。しかし、このチェーンでは各売り場のチーフが仕入れ価格から販売価格、陳列方法、果てはオリジナル惣菜の開発まで絶大な権限を持つ。
「同じ屋根の下に精肉店、鮮魚店、八百屋が独立して店を構えているようなもの」と元店長の一人は語る。精肉部門のチーフが独自に塊肉を仕入れ、店内で大胆にスライスして売り切る。惣菜部門がSNS映えを意識した超弩級バーガーを即興で企画する。本部主導の金太郎飴のような店舗とは違い、売り場ごとに異なるライブ感と競い合いがあるからこそ、消費者は何度訪れても飽きることがない。