『ドラえもん』や『忍者ハットリくん』など、子ども向けの国民的ヒット作を多数生み出した藤子不二雄Ⓐだが、彼の真骨頂はむしろ大人向けのブラックな寓話にある。『笑ゥせぇるすまん』はその最高峰であり、漫画・アニメ業界における「大人のためのアニメーション」の先駆的作品となった。
アニメーション制作を手掛けたシンエイ動画の功績も計り知れない。影を強調した独特の作画表現、昭和の路地裏やバーの退廃的な空気感、そして喪黒の不気味な顔面アップなど、視覚的な演出効果は原作の持つ怪しさを何倍にも増幅させた。コミカルさと恐怖が同居するこの独特なビジュアルスタイルは、後のアニメクリエイターたちにも多大な影響を与え続けている。