道具が限られていた古代において、竪穴式住居はどのように作られていたのでしょうか。その作り方は極めて理にかなったステップで進められました。
まず地面を円形や方形に掘り下げて平らな床面を作り、深さ数十センチの穴を掘って4本から6本の主柱を立てます。柱の上に桁(けた)と梁(はり)を渡し、屋根を支える垂木(たるき)を地面に向かって円錐状または寄棟状に立てかけます。その骨組みに細い横木を巻きつけ、最後に茅やアシ、木の皮、土などを重ねて屋根を葺けば完成です。現代のDIY感覚で見るとシンプルな工法ですが、木材の結束には藤蔓(ふじづる)や樹皮繊維が使われ、台風の強風にも耐えうる柔軟な耐震・耐風構造を備えていました。
気になる住居の耐久性と寿命は、およそ15年から30年程度であったと推定されています。柱の根元が地中の湿気で腐食したり、屋根の茅が傷んだりするため、定期的な屋根の葺き替えや柱の補強が行われました。完全に寿命を迎えた後は、一度解体して木材を再利用し、同じ場所かすぐ隣に新たな住居を建て直すという持続可能なサイクルが確立されていました。