生の劇場に足を運ぶ機会が限られているファンにとって、映像アーカイブの存在は大きい。近年ではNHKオンデマンドなどの配信プラットフォームを通じて、彼が出演した演芸番組や特集アーカイブを視聴するリスナーが急増している。画面越しであっても、一言一句に込められた熱量と表情の機微は鮮烈に伝わってくる。
140文字の短文投稿だけでは決して推し量ることのできない、30分から40分にわたる高座の緊迫感。一度その語りに没入すれば、表層的なパブリックイメージがいかに矮小なものであったかを思い知らされるはずだ。デジタル空間で生まれた偏見が、デジタル配信を通じて鮮やかに覆されるという逆転現象が今、静かに起きている。