仕事の出張や旅行といった個人の都合だけでなく、病気療養や身体的な制約を抱える市民に対しても、投票の機会を保障する特別なルートが法的に整備されている。
都道府県の選挙管理委員会から「不在者投票指定施設」として指定を受けている病院や特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などに入院・入所している場合、施設長を通じて施設内で不在者投票を行うことが可能だ。この場合、本人が直接役所へ出向く必要はなく、施設の管理者に投票の意思を伝えることで、施設側が一括して書類の請求から投票管理までを代行する。
また、身体障害者手帳や戦傷病者手帳、介護保険の要介護5の認定を受けているなど、特定の重度障害要件を満たす有権者には「郵便等投票」という在宅投票の道が開かれている。これを利用するには、あらかじめ選管に申請して「郵便等投票証明書」の交付を受けておく必要がある。選挙直前の申請では交付が間に合わない場合もあるため、対象となる世帯では平時のうちに証明書の事前取得を済ませておくのが賢明だ。