かつて日本では「猥褻物」として長らく日陰の存在に追いやられていた春画だが、その芸術的価値を再発見したのは海外の研究者たちだった。ロンドンの大英博物館が開催した大規模な春画展は、世界中の美術関係者に衝撃を与え、浮世絵の真髄として国際的な称賛を浴びた。
この劇的な再評価のうねりは日本へも逆輸入され、東京国立博物館をはじめとする国内の主要機関でも、学術的・美術的見地からの展示や検証が本格化した。現在では、歌麿の『歌まくら』は日本の高度な木版印刷技術と人間観察眼が結晶化した、世界に誇るべき文化遺産として確固たる地位を築いている。