「鳥軟骨は体に悪い」という極端な言説に対し、近年の栄養疫学はより多角的な視点を提示している。軟骨は単なるタンパク質の塊ではなく、プロテオグリカンやグルコサミン、微量ミネラルを抱え込んだ生体組織のパッカブルな集合体だ。
コレステロールに関して言えば、鳥軟骨100gに含まれるコレステロール量は約80〜100mg前後であり、卵1個(約200mg)の半分以下である。健康な成人の体内では、食事由来のコレステロール量に応じて肝臓での合成量が自動調節されるため、適量の摂取であれば血中脂質を直接的に暴走させる決定打にはなり得ない。
リスクとベネフィットの天秤を測る上で重要なのは「何と一緒に、どう食べるか」という文脈である。軟骨に含まれる豊富なカルシウムやマグネシウムは、現代の都市型生活で不足しがちな骨基質の維持を助ける。ネガティブな要素ばかりを切り取る単眼的な思考から脱却し、複合的な栄養マトリクスとして評価し直す必要がある。