紙の単行本市場においても、クリエイターとしての価値は跳ね上がる一方だ。KADOKAWAや集英社をはじめとする大手出版社がこぞって熱視線を送る理由は、青年漫画というジャンルにおいて類を見ないキャラクターの生々しさと文学的な奥行きにある。
善悪の二元論では割り切れない登場人物たちの葛藤は、若い世代のみならず舌の肥えたコアな漫画フリークの心をも掴んで離さない。紙の手触りや装丁の美しさにまで徹底してこだわる姿勢が、デジタル全盛の時代においてなお「手元に置いておきたい一冊」としての価値を強烈に放っている。