事態を重く見た警察庁は、地方警察本部に対して極めて異例となる警察庁による特別監察の実施に踏み切りました。監察官チームが鹿児島県警本部に乗り込み、野川前本部長をはじめとする関係者数十人への事情聴取、執務室のパソコンや通信履歴の精査が連日実施されました。
発表された特別監察の結果は、世論に複雑な波紋を呼ぶ形となりました。監察報告書では、「本部長が事件のもみ消しを直接指示した客観的な証拠は認められない」と結論づけられました。しかし同時に、本部長の事件指揮や報告管理体制に「著しい不備と監督不行届があった」と断定され、野川明輝前本部長に対して減給100分の10(6カ月)の懲戒処分が下され、警察庁長官官房付への更迭が決定しました。
東大法学部卒のキャリア官僚として順風満帆な出世コースを歩んでいた野川氏にとって、この更迭人事はキャリアの失脚を意味しました。一方、起訴された本田元部長は保釈後も公判を通じて「県警の自浄能力の欠如」を告発し続けています。法廷の傍聴席には多くのジャーナリストが詰めかけ、漏洩された内部データが真に公益目的であったのか、それとも人事や個人的な不満に起因する規範違反であったのかを巡り、緊迫した証拠調べが進行しています。