ドビーというキャラクターを日本国内で不朽の存在にした要因の一つに、ドビー声優日本語吹き替えを担当した実力派声優・高木渉氏の怪演があります。
高木氏は、アニメ『名探偵コナン』の小嶋元太や高木刑事役でも広く親しまれる名優ですが、ドビー役では甲高く震える声の中に、隷属の恐怖と主への反抗心、そしてハリーへの切々たる忠誠心を絶妙なグラデーションで吹き込みました。英語原版のトビー・ジョーンズ(Toby Jones)氏による哀愁漂う声筋を見事に解釈し、日本語版ならではの愛嬌と切なさを両立させた演技は、今なお高く評価されています。
また、映画版と原作小説の間には、ファンでも見落としがちな重要な差異が存在します。
映画版では第2作の後に一時出番が途絶え、最終章までほとんど登場しませんが、原作小説のドビーは解放後、ホグワーツの厨房で給料と休日を得て正式に雇用され、働き続けていました。他の屋敷しもべ妖精たちが「自由になること」を恥とみなし、ハーマイオニーの解放運動に反発する中で、ドビーだけは堂々と服を着こなし、靴下を偏愛し、ハリーを陰ながらサポートし続けたのです。第4巻『炎のゴブレット』の第二の試練でエラ昆布を調達したのも、映画ではネビルに変更されましたが、原作ではハリーを助けるために奔走したドビーの功績でした。